2010年03月25日

バイロン文界の大魔王 第十七章09

此くの如きはバイロンの人物及び其詩の性質なり。而して吾人はバイロンは日本に輸入せざるべからずとなす、我国今日の如き弱々しき文学者の多き時代に於ては、炎々たる烈火の気力あるバイロンを要するなり。
自称天才、偽文士等の多き時代に於て、是等を耻かしむる所のバイロンを要するなり。
阿諛、※[#「言+稻のつくり」、第4水準2-88-72、謟]侫、偽善、嫉妬、中傷の盛なる時代に於て反抗的精神のバイロンを要するなり。
今日我国に於ては、義侠の如きは全く人心中にあることなし。此時に当りて義侠の精神に燃ゆる所のプロメテオス的バイロンを要するなり。
社会万般の事物の陳滞し、人間の腐敗せる時代に於て、之を郭清し、之を一掃する暴風的人物たるバイロンを要するなり。
バイロンは日本文学者輩の如き腰抜けならず。
バイロンは文士保護を云ふが如き、乞食論を為さゞりしなり。
バイロンは社会の風潮に媚び俗人の嗜好に阿り、婦女子等を喜ばせんとして筆を執らざりしなり。
バイロンは言ふべきは之を言ひ、攻撃すべきは之を攻撃し、反抗すべきは之に反抗し、決して左顧右盻せしことあらざるなり。
実にバイロンの精神は活動せり。又た決して圧伏すべからざるなり。バイロンは斃れて起き、起きては斃れ、斃ると雖自己の精神を救ひ、満足を得ること能はざる以上は其戦争を断念せざるなり。実に彼は戦争精霊の化身なり、彼の言語は挑戦の喇叭なり。進軍吶喊の響なり。其詩文は正規なる嵌工に非ずと雖、言々語々生気を呼吸して、一箇消すべからざる所の『バイロン』と云へる印象を有す。彼れ実に人物なり。確固不抜の人格を有す。彼の為に自然万有は起立して、世界に向て証言して曰はん『此れこそは「男子」なり』と。



○バイロンを日本に輸入せよ
○腰抜け、骨無文士の多き日本腐敗せる社会の日本にはバイロンの如きを要す
○バイロン文士保護を云はず
○俗人婦女子に阿らず
○戦争精霊の化身
○挑戦の喇叭
○進軍の吶喊
○これこそは男子なり』
posted by 天城麗 at 00:00| Comment(0) | 文界の大魔王 | 更新情報をチェックする
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