2010年03月24日

バイロン文界の大魔王 第十七章08

バイロンの友情に就きて一言せざる可からざることは、其種々の過誤欠点あるに関せず、一度友としたる所は、一生之を失はざりしことゝなす。其朋友たり、師傳たり、従僕たり、皆バイロンの死すまで、能くバイロンに愛着せしなり、殊にバイロンが成熟したる愛情を與へたる女子は、皆な終までバイロンの名を神の如く思ひて之を愛着し、之を敬したり。
ウイリアム、ビー、スコット、バイロンに対する感情を述べて曰く『今や時を隔つと雖、バイロンに就て語るときは、吾人は困難畏懼謙遜及び大なる敬意無くんばあらざるなり。而て太初に起る所の感情は尊敬なり。彼の想像的の発明、透視的の評価、壮麗なる雄弁及び無尽蔵の才智等の天才に対しての無限の敬意と喜ばしき認識是なり。これ皆なバイロンの書中に存する所なり。然るに一旦バイロンの壮麗にしてナポレオン的の容貌の、小児の如く又た大人の如きを見たる後は、彼れが行為に発表したる所の経歴、一身の境遇、英国貴族としての光栄、及び其祖先をも知らんことを幾ふに至るべし。殊に其判断力の健全なる、道義の雄偉尊大なる、性質の自治自命にして而も寛容なる、言語真実にして且廉耻を重ずる等、彼の内部の実性を知るときは、其文学上の才能技量の如きは、殆ど※[#「火+嚼のつくり」、爝]火の日光に於けるの感なき能はず。而して吾人をして敬意を有せずしてバイロンに就て語ることを耻辱と感ぜしむるなり』と。真にバイロンを知れるの言と謂ふべし。



○朋友と師伝とは一生不和せしてことなし
○愛したる女子はバイロンを神の如く敬し愛す
○吾人の敬意
○廉耻を重んず
posted by 天城麗 at 00:00| Comment(0) | 文界の大魔王 | 更新情報をチェックする
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