2008年08月04日

『短編バイロン詩集』34我はバビロンの河岸に坐して泣けり

  第三十四、我はバビロンの河岸に坐して泣けり

  (一)

我等は、バベルの流の邊に座して泣き
而して我等の仇敵は、彼の殺戮の喚叫により、
サレムの高地を彼の餌食とせし日を思ひぬ、
あゝ汝彼女の娘等よ、
あらゆる悲嘆を遙かに離散せられしや。

  (二)

下方に、奔放自在に轉流する河川を
愁然として我等凝視す時、
彼等は詩歌を要めぬ、あゝされど、
他人は決してその勝利を知らざるべし!
我等の高き竪琴ハープを敵の爲めに彈ずるに先づ、
此右手は永遠に衰殘さるゝならん!

  (三)

その竪琴は揚柳に懸けらる、
あゝサレム!その調音は自由なるべし、
而して汝の光榮の滅盡せる時日は、
されど我に汝のその表兆を殘せり、
我は其軟らかなる奏音に、
決して掠奪者の音聲を混ぜざるべし。


(一)叫は「口+斗」、呌。

底本:
国立国会図書館 近代デジタルライブラリー『バイロン詩集』100コマ〜


posted by 天城麗 at 00:00| Comment(0) | 短編バイロン詩集 | 更新情報をチェックする
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